シワは原因別でタイプが違う
「シワ」とひと口にいっても、できる原因により大きく分けて3つのタイプがあります。
目尻の大きなシワや、眉間のタテジワは、笑ったり、怒ったりして顔が動いたときにできる「表情ジワ」。表情筋という顔の筋肉が収縮することで、皮膚に折れ目がつきます。これが何度もくり返されて、クセがつき、シワとなって定着するのです。
また、年と共に肌の内部組織が減ったり、痩せてくると、顔表面にたるみが起こり、これが原因となる「加齢ジワ」がでてきます。たとえば、目の下に斜めに入るシワは、目の周りの皮膚がたるんで、できるもの。口の横のほうれい線も、頬のたるみによるものです。
そして、寒い時期の乾燥により増えるのが「小ジワ」です。乾燥で水分不足になると、肌がしぼんで、細かいシワがよります。これが浅くて細かい小ジワの原因です。目の下にできるちりめんジワなどもこれ。目の周りは皮膚が薄く、乾燥しやすいためです。
シワは一般的に加齢と共に増えるものですが、乾燥肌の場合、若いうちから小ジワができることもあります。

肌の乾燥対策にはセラミドを補って
乾燥肌や小ジワの対策となるのが「保湿」です。
肌のいちばん外側にある「角質層」には、約10~30%の水分が含まれています。この水分量が低下すると、いわゆる乾燥肌となります。
この「角質層」において現在、注目されているのが「角質細胞間脂質」と呼ばれるセラミドです。角質層は、ケラチンと呼ばれる主成分をもとに構成された角質細胞と、セラミドを主成分とする細胞間脂質で作られています。このときセラミドは角質の細胞同士の間にあって、細胞をつなぎとめながら、その他の遊離脂肪酸とともに水分を抱え込む働きをしています。セラミドが減ると、角質の細胞間にすき間ができて、ここから水分がどんどん逃げてしまいます。その結果、乾燥肌や乾燥を原因とする小ジワを引き起こします。
現在、セラミドの研究はまだ始まったばかりですが、配合されているコスメなどにはそういった加齢に伴う減少を補う可能性が指摘されています。
まだ十分なデータがはっきり取れているとは言えませんが、日常的な乾燥に悩んでいる方は試してみても良いかもしれません。

顔の洗いすぎにも要注意
セラミドは肌本来が持っている成分ですから健康に暮らしていればターンオーバーとともに作られます。しかし加齢とともに生産力が落ちることが分かっており、一度失われると回復に時間がかかります。セラミドを守るためには、顔の洗いすぎに注意しましょう。ゴシゴシ洗うと別のトラブルにも直結。なるべく肌に負担のない成分を選んで優しく洗うように心がけましょう。
この記事の監修者

- 廣瀬 嘉恵先生
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- 皮膚科医。銀座よしえクリニック総院長。肌治療だけでなく、頭髪や痩身など、女性のトータルビューティを目指す施術を行う。国際抗老化再生医療学会、日本美容外科学会(JSAS)他所属。