こんにゃく芋

● カラダを創る自然の恵み / セラミド

保湿とバリア機能でうるうる、ぷるぷるのお肌に「セラミド」

乾燥肌を改善する効果があると話題の「こんにゃくセラミド」。こんにゃくを食べればいいの?どうして乾燥肌にいいの?ここでは、そんな疑問を解決します。

貴女の肌を美しく、プルプルに保ってくれるセラミドとは

私たちの肌を美しく保ってくれることに欠かせない成分が今回の主役「セラミド」です。
セラミドは、皮膚のもっとも外側にある角質層にある成分で、保水成分です。もう少し詳しくいうと、細胞と細胞をうめる細胞間脂質に存在する成分のひとつです。

肌がカサカサにならないようにするためには、肌の中に水分を閉じ込めておく必要があります。しかし、水は放っておくと蒸発してしまいます。ではどうするか?蓋をしてしまえばいいのです!

皮膚中でのセラミドの役割

セラミドは、水と結びつきやすい性質を持っています。そのため、水と結びついたセラミドが皮膚のバリアとなって、外の刺激から(ほこり、花粉、紫外線など)肌を守る働きをする一方、肌から水分を逃がすのを防ぎ、潤いを保つことに役立っています。

そんなお肌にとってなくてはならないセラミドですが、歳を取るにつれ、十分なセラミドがつくられなくなり、肌にセラミドが行き渡らなくなってしまいます。肌のセラミドが不足すると、水分が逃げてカサカサになったり、バリア機能が働かず、アレルギー症状が現れることがあります。

コラーゲン・ヒアルロン酸もお肌を美しく保つには、欠かせない大切な成分ですが、これらは角質層のさらに下の真皮層にある成分です。セラミドが不足してしまうと、水分が蒸発し、刺激からのバリア機能も果たせないので、せっかくのコラーゲン・ヒアルロン酸も十分なパワーを発揮できません。セラミドが重要なカギを握っているのです。

年齢と角質層中のセラミド含量の関係

G. Imokawa, et al., J. Invest. Dermatol., 96.523(1991)より一部改編

セラミドの効果と働き

セラミドの主な機能は、肌の水分保持と外的刺激からのバリアです。セラミドがお肌の「うるおい・はり・なめらかさ」を高め、「かゆみ」も改善したという報告をご紹介します。

うるおい×バリア

セラミドの保湿効果

まずはセラミドが作られる肌表皮の角質層について、知っておきましょう。
私達の皮膚は、表皮、真皮、皮下組織から成り立っていますが、表皮の最も外側にある角質層は、レンガのように角質細胞が積み重なっており、そのレンガの継ぎ目に使われる接着剤(モルタル)の役目をしているのがセラミドです。
接着剤で継ぎ目をしっかりとぬりかため、強固にレンガを積み上げていくイメージでしょうか?この構造を「ラメラ構造」と呼び、角質層の中に水分を蓄え、細胞内からの水の蒸発を防ぎ、バリア機能を守っています。接着剤が足りないとレンガが崩れてしまうのと同じように、セラミドが不足すると角質細胞が不安定で剥がれやすくなります。確かに積み上げただけのレンガよりも、丈夫で水も通しにくい気がしますよね。

ラメラ構造とは?

加齢にとともにセラミドが減っていくと、接着剤であるモルタル部分(継ぎ目)が弱くなるのと一緒で、ラメラ構造が崩れてしまうため、肌の水分が失われ、カサカサの乾燥肌になってしまいます。そこで食品等で、セラミドを補ってあげることで、皮膚の保湿性を正常に保つ必要があるのです。

健常人皮膚とセラミドが不足した乾燥皮膚の比較

セラミドはお肌の健康に役立つ!

実際にセラミドを摂取し続けた実感のアンケート調査では、肌の「うるおい・はり・つや」に対して、ほとんどの人が改善を実感したという結果が出ました。特に、うるおいについては約80%の人が改善した、と答えました。

こんにゃくセラミドを摂取した後のアンケート調査結果(4週間後)

セラミドは、どうすれば摂れるんですか??

セラミドが含まれる食品

私達の体内でも作られるセラミドは、動物だけでなく植物にも存在する成分です。

これまでは動物から摂れたセラミドが化粧品で多く使われてきましたが、最近は植物から摂れるセラミドが好まれるようになってきています。特に食品に使用するセラミドは、植物由来が圧倒的に多いです。

どんな植物にセラミドが多く含まれているのでしょうか。

もっともセラミドを多く含む植物原料はこんにゃくです。正確には、市販されている四角いこんにゃくではなく、こんにゃくの原料となるサトイモ科の多年生植物「こんにゃく芋」から摂れる「こんにゃく芋粉」にセラミドはもっと多く含まれています。

セラミドを多く含む植物こんにゃく芋の粉末

こんにゃく芋粉

また昨今では、みかんやパイナップルなどのフルーツそして小麦、米、大豆から摂れたセラミドもでてきています。
(確かに、こんにゃくやみかんから摂れたセラミドはいかにもプルプルになる気がしますね。)

セラミドが摂れるこんにゃく・みかん・パイナップル・小麦・米・大豆 乾燥重量100gあたりのセラミド含有量

「機能性糖質素材の開発と食品への応用」シーエムシー出版(2005年)から引用

そのまま食べても体内のセラミドは増えない??

それでは早速、セラミドが多く含まれている食品を食べて美肌を目指しましょう!というわけにはいきません。セラミドを含む植物を食べても、植物中に含まれるセラミドは、なかなか体内に吸収されず、またそのまま肌に届くわけではありません。

では、セラミドは増やせない??

そんなことはありません。セラミドがそのまま肌のセラミドに代わることはありませんが、食品から抽出されたセラミドをサプリメントの形で摂取することで体内のセラミドを作り出す力を強めることができます。

こんにゃく芋のセラミドが吸収されるまで

抽出されたセラミドは、食べた後小腸で吸収され、分解された後「スフィンゴシン類」という成分ができます。この聞き慣れない「スフィンゴシン」という物質こそが実はカサカサ肌を救うとっても重要な役目を果たしています。

体内で分解されたスフィンゴシンが皮膚に届くと、セラミドを作り出す機能がパワーアップし、肌の表皮のセラミド量が増えることがわかっています。

つまり抽出されたセラミドにより、セラミドを直接、肌に補給することはできませんが、体内でセラミドを作る能力をパワーアップさせることができるのです。

スフィンゴシンのイメージイラスト

ちなみに、スフィンゴシンという物質は、1884年に発見された当時、スフィンクスのように得体のしれない謎の物質であるとされ、このように命名されました。スフィンクスは、エジプトでは王または神を守護するシンボルとされています。スフィンゴシンも、そんな成分が肌を外的環境から守り、保湿する役目を担っているのです。

医学専門家の先生に聞いてみよう

  • 女性
  • 橋弥先生

Q.セラミドにより肌の水分が保たれるから、潤いを実感できた。というのはわかるのですが、どうしてセラミドを食べたら、はりとなめらかさも良くなるのですか?

セラミドには保湿効果の他に、コラーゲンを作る機能を高める働きもあることが最近の研究で分かってきました。

A.

コラーゲンは繊維状のたんぱく質で、身体や臓器を作るための素材として使われています。コラーゲンの約40%は皮膚の真皮層にあり、皮膚に弾力と柔軟性を与えています。この代表的な美肌成分コラーゲンは、加齢や紫外線などのダメージによって新陳代謝が衰え量が低下していきます。コラーゲンが減ると真皮の細胞が減り、コラーゲンによって支えられているヒアルロン酸も減少していきます。こういった原因で皮膚のシワやたるみ、肌荒れが起こります。

体内でセラミドを増やす働きをサポートするスフィンゴシン、実はこのスフィンゴシンが体内のコラーゲンを増やす機能もパワーアップさせるのです。皮膚のコラーゲンは、真皮の線維芽細胞で作られます。その培養されたヒトの線維芽細胞にこんにゃく芋から摂れたセラミドのスフィンゴシンを加えたところ、線維芽細胞とコラーゲンが増えたと報告されています。つまり、抽出されたセラミドを食べることで、セラミドだけでなく、コラーゲンも増えた結果、肌の「うるおい・はり・なめらかさ」が改善したと実感できたわけです。

セラミドバリアでアレルギー侵入を防ぐ

背中がかゆい女性の写真

水分保持と並ぶ、セラミドのもう一つの役目は、外部からの細菌やウィルス、ダニ、花粉などの外部刺激やアレルギーの原因となる物質の侵入を防ぐことです。

例えば、セラミドが不足することによって起こるアトピーでは、肌の表面で水分が保持できないため、肌がカサカサして荒れてしまいます。乾燥して荒れた肌は、バリア機能が弱まっている状態なので、菌やアレルギー物質が侵入しやすくなります。荒れた肌の奥に細菌が入り込むと、皮膚の内側で感染してしまいます。痒いからといって肌を掻くと、さらに痒くなってしまうのは皮膚内で細菌が拡がってしまうためです

アトピー性皮膚炎の患者さんでは、アトピー症状が出ている部分だけでなく、症状が出ていない部分の肌でも水分量が減少しており、水分蒸発量が多いことがわかっています。つまり潤いが肌全体で足りていない状態です。対策としてこれまでは、セラミドを化粧品等で外から肌に使用する場合が多かったのですが、全身にセラミドを塗るのは限界があります。サプリメントであれば簡単に補充できます。

軽微~中度のアトピー性皮膚炎の患者さん14名に、こんにゃく芋から抽出したセラミド1.8㎎を毎日8週間食べ続けてもらい、肌の状態の変化を調べました。すると「背部」で2週間後、「上腕部」で4週間後から、水分蒸発量が減少し始め、「肌のきめが整い、塗布薬がよく伸びるようになり、薬の使用量が減った」というアンケートが見られました。アトピー性皮膚炎患者さんでもセラミドを食べることによって、肌の保湿力とバリア機能が高まると考えられます。

まとめと、生活習慣の注意

今セラミドが含まれている化粧品を使っているという方も、多くいらっしゃると思います。ただ朝晩の忙しい時間や仕事中など、スキンケアに時間をとれないこともあります。お洋服で擦れたり、汗を拭きとったりした際に再度お手入れするのも大変です。サプリメントであれば、スキンケアの時短に繋がります。またセラミドをサプリメントから補給して肌の状態を整えることで、アトピーの予防にもつながります。

ただし、セラミドをいくら補給していたとしても、生活習慣の乱れは禁物です。特に夜更かしするような生活を続けると、内分泌系のバランスが崩れてセラミドを作りにくくなってしまいます。
セラミドの効果を十分に発揮するためにも、早寝早起きの規則正しい生活をして、快眠、快食、快便を心がけましょう。

現在セラミド研究は国際的に大変注目されており、これからも多くの新たな発見が期待される分野です。本サイトでは美と健康に関わる最新情報を報告していきます。

この記事の監修医師

会員制人間ドック「カルナ・メドサロン」橋弥 尚孝院長
会員制人間ドック「カルナ・メドサロン」橋弥 尚孝院長
  • ・大阪大学医学部卒業
  • ・大阪大学 特任准教授
  • ・日本抗加齢医学会 評議員
  • ・脳心血管抗加齢研究会 評議員

参考文献

  • あとぴナビ 臨床試験の学会報告表1参考
  • 食品と開発 48(2), 79-81,
  • Lipids in Health and Disease 2012,11:108 Shirakura et al
  • J. Invest. Dermatol., 1991 Apr;96(4):523-6
    Decreased level of ceramides in stratum corneum of atopic dermatitis: an etiologic factor in atopic dry skin?
    Imokawa G1, Abe A, Jin K, Higaki Y, Kawashima M, Hidano A.
  • J. Invest. Dermatol., 92, 2, 251-257 (1989)
    Molecular models of the intercellular lipid lamellae in mammalian stratum corneum
    Donald C. Swartzendruber, Ph.D., Philip W. Wertz, Ph.D., David J. Kitko, Ph.D., Kathi C. Madison, M.D., Donald T. Downing, Ph.D.